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「1億円さん」に聞く 私はこうしてお金を殖やした(1)

日経マネー http://www.nikkei.com/money/column/nkmoney_tokushu.aspx?g=DGXNASFK2603C_26052014000000

 日経マネー編集部は「2014年 個人投資家調査」を実施。その中で「金融資産1億円以上」と回答した143人の中から、17人の1億 円さんに取材した。多くは本業を持つ投資家だ。そんな彼らがいかにして財を築き上げたのか。その一端を2回に分けて紹介しよう。

年間200万円の配当で悠々自適

mushoku2006さん(仮名・44歳、投資歴20年)

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 mushoku2006さん(仮名・44歳)は、36歳のときにリタイアを決心した異色の投資家だ。現在は、年間200万円超の株の配当金で生活している。

 投資タイルは、日本株への全力一点張り方式。株価が下がっているときでも資金が尽きるまでナンピン買いをして、決して損切りはしないという。彼はどういう経緯でこのスタイルにたどり着いたのか。

■給与の7割を投資資金に

 投資を始めたのは20年前のこと。大学卒業後、自動車部品メーカーに入社し、2年目に購買セクションに配属された。しかし取引先の名前すら知らず、もちろんどんな会社かも全く分からない。そんなとき、当時の上司から「取引先を知るには株を買うのが一番」と勧められたことが、投資の第一歩につながった。

 「投資資金として父から300万円を借りて株を買い始めたものの、値下がりするばかり。ナンピン買いをするために給与の7~8割を注ぎ込んだがそれでも足りず、父からの借金を更に重ねた」。

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 数銘柄からスタートした投資だったが投資先はどんどん増えて、ピーク時には数十銘柄に及んだという。「これまで購入した銘柄がその後すぐに上昇したためしがない。結果としてナンピンを繰り返してしまうのが自分の運命と諦めていた」。

 とはいえ損失ばかりだったわけではない。「トータルでプラスになり、全ての株を売却したことも。しかし投資を再開すると、またもやナンピン地獄となった」。

 そんな彼に2003年、投資法の転換期が訪れた。

 ''ピーク時に約1800万円まで膨らんだ含み損が、ようやく損切りしても諦めがつくレベルまで減ったため、03年5月に一旦仕切り直しを決断。涙をのんで950万円の損切りを決行した。だが、それ以降も株価は上昇。「後から計算したら、あと3カ月我慢して保有し続けていれば、12万3000円の損で済んでいたことが判明。二度と損切りはしないと誓った」と言う。
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 手じまいをしたものの、同年7月から株取引を再開し、今度は銘柄を絞った売買にシフトした。「なぜそうしたのか、今となってはよく覚えていない。自分はドケチなので、手数料を惜しんだのかもしれない」。

結果としてこれが功を奏した。当時購入したプレナスと武田薬品工業で、300万円近い利益を獲得したのだ。これが現在の投資手法の原点となった。資産総額も3600万円程度まで回復した。

■36歳でリタイアを決意

 06年には資産が1億円近くになり、彼は考えた。''「株の大半を売って8000万円で金利5%弱の米国30年債を買えば、毎年300万円の利子が入る。今の給与所得が300万円でほぼ同額。実際は、その半分もあれば生活できるのだから、仕事を辞めても十分やっていける」。
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儲けたお金で購入した大量の日本酒。生活は質素だが、唯一の楽しみは日本酒。部屋中にあふれている
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儲けたお金で購入した大量の日本酒。生活は質素だが、唯一の楽しみは日本酒。部屋中にあふれている
 こうして36歳で退職しリタイア生活に突入。残りの資金は、REIT(不動産投資信託)、日本株への投資に充てた。

 その後米国債は売却、現在は三菱UFJフィナンシャル・グループに一点張りして、17万株以上保有する。「全力一点張りでも、日本において強い会社を選べば破綻の恐れは少ない。中小型株では情報がなかなか入らずやきもきすることもあるが、大型株なら日常的に情報が得られるのも利点」と言う。

 「今は家賃や光熱費なども含め、年間100万円で生活できている。株価がいくらになろうと、配当収入が150万円を割らなければ、何の問題もない」。自分の生活費をとことん切り詰めれば、30代でのリタイアも夢ではなさそうだ。

IR情報だけで爆騰銘柄当てる

鳥山正幸さん(仮名・31歳、投資歴8年)

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 鳥山正幸さん(仮名・31歳)はもともと株に強い関心があったわけではない。それでも投資を始めて8年で資産1億3000万円を築いた。大学卒業後、公認会計士試験に合格してから就職までに3カ月の空白ができた。投資の動機はちょっとした暇潰しだったのだ。

 当初の資金は50万円のみ。監査法人で働き始めてからは実家暮らしのため給与の多くを投資に回せたが、資産が殖え始めるのは、ある“真理”を知ってから。それは「IR(投資家向け広報)情報だけでも十分勝てる」というものだ。

 鳥山さんが主戦場とする東証2部は企業側が今後の経営を左右する戦略などを発表しても、市場がすぐに反応しないことが多い。日本株投資を始めた数年前は特にその傾向が強かったという。

 例えば、2007年、ダイヤモンドダイニングは外食業界向け雑誌などで先鋭的な経営が注目されていたが、投資家の評価は高くなかった。「IRがどんな重要情報を流しても完全に素通り」(鳥山さん)。同社株をほぼ底値で買って数百万円の利益を得た。

信用取引で中小型株の一点買い

秋山玄馬さん(仮名・53歳、投資歴5年)

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 秋山玄馬さん(仮名・53歳)さんは5年間で2億円を稼いだ。そのうち1億5000万円は、昨年わずか3カ月間で1銘柄への投資から得た。「誰も真似しちゃいけない投資法を続けてきた。いつ(全財産が)消えるか分からない」と自嘲気味に語る。その手法は超が付くほどハイリスク・ハイリターンだ。

 投資を始めた当初は信用取引のみで、倍率は上限の3倍。対象は大化けするかもしれない国内の中小型株だ。常に2~3銘柄に絞り込んできた。「本当は1銘柄だけで構わないけど、口座を開いている証券会社では信用取引は最低2銘柄でないと駄目らしいから」。そもそも信用取引の担保として差し出した現金は、家族5人で暮らす自宅マンションを担保にして銀行から借りたもの。

 実質的な投資歴は5年ほどだが、大手証券会社で2年間働いたことがある。退社後しばらくは株の売買を続けたが、独立して仕事が忙しくなると20年以上遠ざかった。ただし、「自宅マンションの住宅ローンを完済したらもう一度日本株をやってみたい」とは思っていた。リーマン・ショックによる株価暴落を機にその予定の前倒しを決意。「どんな銘柄でも割安に見えた」と当時の株式市場を振り返る。

■買値は忘れる

 前述のように投資タイルは破天荒だが、銘柄選択の基準は珍しいものではない。「PERは10倍以下、PBRは1倍前後、後は配当利回りが4%あればなおいい」というもの。目安なので守らないことも多い。それより意識しているのは「買値は忘れる」というルールだ。現在の株価だけを見て割安と判断したら買い増していく。特定の中小型株を集中的に買うので突如筆頭個人株主になってしまい、社長や総務部長の“表敬訪問”を受けることもある。

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 こうした投資は度々危機を招く。東日本大震災の際には明豊ファシリティワークスや薬王堂などを持っていた。震災後に発生したみずほ銀行のシステム障害で追い証を入れられず「正直もう駄目だと思った」。間一髪でくぐり抜けたが、資産は数日で3000万円以上減った。被災地の両親とようやく連絡を取れた際も株で気が動転しており、心配だったはずなのに第一声は「お金、貸してくれない?」。

 現在は江守グループホールディングスとアールシーコアなどを保有している。昨年1億5000万円儲けさせてくれたのは前者。「まだまだ割安」と再び仕込む。「小さな会社はいい。株価が2倍になる夢を見られる」。危険な綱渡りを止めるつもりはない。

日経マネー編集部が実施した「2014年個人投資家調査」で、「金融資産1億円以上」と回答したのは143人に上った。その中から、17人の“1億円さん”に資産形成のいきさつや投資への考え方を聞いた。彼らはいかにして財を築き上げたのか。前回に引き続き、その一端を紹介しよう。

9割以上が優待銘柄、チャートだけで3億5000万円

パシフィックさん(仮名・49歳、投資歴15年)

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 神奈川県で商店を経営するパシフィックさん(仮名・49歳)は日本株への投資を初めて15年になる。

 最初に購入した銘柄はNTTやソニーなどの大型株だったが、現在は優待銘柄を中心に約300銘柄を保有している。

 優待銘柄の割合は全体の9割、そのうち3割が外食産業だ。吉野家HDやワタミ、コロワイドなどの優待券を使って食事をし、年間で10万円ほどもらえるQUOカードで買い物する日々を送っている。

 しかしパシフィックさんは優待銘柄なら何でも購入するわけではない。銘柄選びの際は、独自の方式で利回りを計算する。

 例えば、よく利用する外食企業は優待券に書かれた金額で利回りを算出。一方で「A社が優待で送ってくる3000円相当の缶詰には、自分が好きなカニの缶詰が入っていないから、100円として計算する」などと、損得勘定はシビアだ。

■直近の高値を超えたら買い増す

 株の売買のタイミングは、チャートだけを見て判断するという。「新聞やニュースなどの情報にとらわれず、チャートだけを見て今後の相場の動きを予測する。直近の高値を超えたタイミングで買い増す」というのがパシフィックさんの投資法だ。

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 資産は49歳にして3億4000万円に上る。だが、そんなパシフィックさんも過去に損を出したことが何度もある。2006年のライブドア・ショックでは1700万円の損失に。「あまりのショックに、自分が投資家であるとは知らない従業員にまで『顔が青いですよ』と言われる始末だった」と言う。

 そんな目に遭いながらも投資をやめなかったのは、「1勝99敗でも儲けることができるのが株だから。負けることがあっても、いつか必ず取り返せる」。この信念がパシフィックさんの投資の原動力になっている。

 投資以外で最近はまっているというのが、5年前から始めたふるさと納税だ。「13年に寄付した中では、愛媛県愛南町と北海道上ノ国町から送られてきた寒ブリとウニがおいしかった。ふるさと納税や優待のおかげで我が家ではお米、魚、肉、調味料はほとんど買わない」とホクホク顔だ。

インデックス投資で1億4000万円

藤村昌之さん(仮名・41歳、投資歴15年)

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 「仕事が忙しいサラリーマンには、インデックス投資は絶対お勧め」。こう語るのは、インデックス投資で1億4000万円の財をなした藤村昌之さん(仮名・41歳)。

 20代半ばに将来に不安を感じ、アクティブ投信や外貨預金、個別株、FXなど、マネー誌に紹介されていた様々な商品に手を出したという。

 しかし利益にはつながらず、このままではいけないと一念発起。書籍や雑誌で勉強した結果、定収入はあるが投資に割く時間がない自分には、インデックス投資が合うという結論に至った。妻も仕事をしているため、家計は妻の収入でやりくりし、自分の収入は投資に費やしている。

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 商品を選ぶ基準は「仕組みが分かりやすいこと」「低コスト」「長期保有が可能なこと」の3つ。投資額が多いのは各種のインデックス投信と、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」だ。

 「大儲けはないが、失敗もないのがインデックス投資。自分なりのポートフォリオを組んだら、あとは1年に一度リバランス(資産配分の再調整)するだけなので、投資にかける時間は必要なし。日々の相場に踊らされることもない」。

社債の利息で年200万円

宮沢徹さん(仮名・42歳、投資歴10年)

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 宮沢徹さん(仮名・42歳)が投資を始めたのは、大手電機メーカーの法務部に勤めていた10年前(現在は公務員に転職)。

 「多忙な生活が続いた結果、業務中に突然倒れた。これをきっかけに将来に不安を覚え、投資を始めた」。

 初めて買った銘柄は新生銀行。2004年に上場後800円で購入したが下落し、ナンピンを繰り返す結果に。最終的に100円を割り、投資の才能がないことを痛感したという。

 以後、書籍などで猛勉強し、「資産を分散させる」「利回りが高い社債を狙う」「暴落しても絶対倒産しない銘柄(都市銀行関連など)を選ぶ」というスタイルに帰着した。

 現在、資産の4割を社債が占め、利子収入だけで年150万~200万円を得ている。

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 仕事があるため、毎日取り引きはできないが、気になる銘柄は日々付箋紙に書き出している宮沢さん。月に1度手堅い銘柄を1つか2つ買うというスタイルで、着実に資産を殖やしている。

負けなければいつかは勝つ

川口幸一さん(仮名・53歳、投資歴18年)

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 資産は2億円に達しているが、「株など投資で得たのは6000万円ぐらいかな」と川口幸一(仮名、53歳)さんは話す。

 夫婦共働きで世帯年収が高い時期が長く、堅実な貯蓄の甲斐あって退職金も含めて資産を殖やせた。親を介護する際に早期退職して非常勤を選べたことが「投資による最大の成果」だ。

 投資はささやかな趣味だった。株を初めて買ったときは、富士重工業やオリンパスなど消費者として接点がある銘柄を選んだ。経済や企業について調べるのが性に合い、調べるほど勝率は高まっていった。

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 本業は教員。学校という閉じた社会だけにいて視野が狭くなるのが嫌だった。株仲間と週間の運用成績を競ったり、議論を交わしたりするのは楽しかった。投資ブログの文章には教員らしい工夫がのぞく。

 高い運用成績を残しながらも、個人向け国債を買ったり、資産分散にこだわったりする姿勢は株仲間から「ディフェンシブ過ぎる」と冷やかされたこともあった。

 現在保有するのは、トヨタ自動車や武田薬品工業、キーエンス、リロ・ホールディングなど。業種に偏りなく保有する40以上の銘柄でさらなる高みを目指す。


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Last-modified: Mon, 07 Jul 2014 02:28:29 JST (1476d)